国内のゴルフ場はバブル崩壊以降、厳しい経営状況が続いています。半数以上のゴルフ場が赤字経営と言われています。現在ゴルフ場の経営に苦戦していいる方、これからゴルフ場経営に参入しようとしている方向けに、ゴルフ場経営で重要なポイントを紹介いたします。
ゴルフ場経営は立地条件が9割
現在のゴルフ場のプレー単価、来場人数は何に依存するかと言えば、9割立地条件です。飲食店やアパレルショップなどの立地条件とは少し異なり、ゴルフ場の場合は都心部からの距離と高速道路のインターチェンジからの距離が重要となります。
ゴルフの場合、基本的に都心部に住んでいるゴルファーをターゲットにして価格設定されているため、首都圏だと東京⇨埼玉⇨栃木の順番でゴルフ場のプレー代が安くなっていきます。よほどの名コースでない限り、埼玉と栃木のゴルフ場のプレー単価や来場人数が逆転することはありません。
そのため、都心部に近い埼玉県のゴルフ場で来場人数、売上が好調といっても栃木県のゴルフ場の比べて経営がうまいという訳ではありません。基本的には立地条件に依存するのがゴルフ場経営です。
逆にいうと、立地条件のいいゴルフ場を買収し保有することができれば当面の収益化は割と簡単にできます。そのためアコーディアやPGMといった大手ゴルフ場運営企業は立地条件のいいゴルフ場を買収し、そのエリアでプライスリーダーとなる戦略を徹底しています。
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なぜゴルフ場経営は儲からないのか?
ゴルフ場の稼働率をあげる
ゴルフ場の1日のスタート時間数には上限があり、1日にプレーすることができる組数は18ホールのゴルフ場で50組程度です。
すると1ヶ月では1,500組。1年間にすると18,000組がゴルフ場でプレーすることができる組数です(組数に最大バック数の4名を掛ければ、年間最大来場者数は72,000人)。
このように受け入れられるキャパシティーが決まっている商売のことを“箱物商売”と言います。ホテルや飛行機なども同じように1日、1本の収容人数が決まっているので箱物商売と言われています。
箱物商売で売上をあげる鉄則は稼働率を上げることに尽きます。
ゴルフ場を営業するに当たって1日のプレー組数が20組だろうが、50組だろうが運営コストは大きく変わりません。運営コストが変わらないのであれば、できるだけ毎日満員にし、稼働率を100%に近づけるよう努力する必要があります。10,000円のプレー代で20組しか予約が入らないのであれば、8,000円で40組の予約が入るように努力します。
ゴルフ場年間来場者数の全国平均が4万人と言われています。ということは稼働率の全国平均は56%です。飛行機が半分空席の状態で常に飛んでいる状況です。飛行機であれば、その航路は廃線もしくは小型機を使用します。
ただゴルフ場は飛行機のように小型化するというのが難しいので、稼働率を100%に近づけるために価格設定、広告宣伝などの営業努力をすルことが重要となります。
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ゴルフ場の来場人数を向上させる方法
コース管理費を削減する
コース管理費の全国平均は人件費込みで7,000万円です。
内訳としてはおおよそ以下のような内訳です。
人件費:4,000万円
芝・肥料・砂・資材関係:2,000万円
機械の購入・修理・リース、その他:1,000万円
コース管理費を改善するポイントとしては、人件費と肥料関係費用の削減を実行する必要があります。18ホールのコース管理に必要な人数はおおよそ10名程度と言われています。そのうち社員は2名程度に抑え残りはパートタイマーや契約社員で行い、足りない部分はマスター室などから人員を補填できるような体制をとる必要があります。
肥料関係の費用については、必ず仕入れ業者ごとで仕入れ値を比較しましょう。ゴルフコースの肥料・資材関係の仕入れ先はグリーンキーパー(コース管理課のトップ)に依存している場合がほとんどです。グリーンキーパーと肥料・資材業者は昔からの付き合いで金額についてかなりルーズになっているケースがよく見られます。一度現在の取引業者と他の取引業者で仕入れ値を比較することをお勧めします。簡単に数百万仕入れ値が変わるという可能性もあります。
借地の割合と賃料を見直す
ゴルフ場を買収する場合には、必ず借地面積の割合を見ておく必要があります。日本国内のゴルフ場の平均的な借地面積は20〜30%と言われていますが、借地面積が多ければ多いほど利益を出しづらい構造になってしまします。また、借地となっている場所の確認も重要です。ゴルフ場の進入路や、コースのど真ん中、水源付近などゴルフ場が運営していく上で重要な場所が借地となっている場合には注意が必要です。仮に地主ともめて土地の返却を求められた場合、ゴルフ場の営業に大きなダメージを与えてしまいます。過去には進入路の地主ともめたことで、お客さんが進入路を通れなくなりゴルフ場へ行けなくなってしまったという話もあったようです。
次に賃料の見直しも必要です。定期的に賃料は更新しているはずですが中には賃料が過去のままになっているケースもあります。現在の土地の評価額とあまりに乖離があるようでしたら交渉する必要があります。ただし土地の賃借契約は複雑なので交渉へは弁護士等の専門家と同席の上交渉を進めたほうが安全です。
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