ゴルフ場の会員権は大きく2種類に分かれます。預託金制の会員と株主制の会員です。会員権の種類によってメンバーになることのメリットや役割、権利に違いが出て来ます。会員権の購入を検討されている方は基本をマスターしておきましょう。
ゴルフを始めた頃、父親の“メンバー”という響きに妙に憧れた記憶があります。ゴルフにどっぷりとはまっている方はどこかのゴルフ場の会員権を買ってメンバーになろうかな?なんて思っている人も多いはずです。
会員権を買う前に、日本のゴルフ場で採用されている会員権の制度について理解しておきましょう。
預託金制会員
預託金制の会員が日本では最も一般的です。日本国内のメンバーシップのゴルフ場の約8割のゴルフ場が預託金制の会員と言われています。
預託金会員の場合は、会員権を購入する際にゴルフ場経営会社に一定額を預託金として預けます。ゴルフ場経営会社は無利子で預けれられた預託金を元にゴルフ場を作り整備し運営を行います。
ゴルフ場の運営会社に会員権の購入を通じで預託金を預けたメンバーには、「優先プレー権」と「預託金返還請求権」が付与されます。
優先プレー権とは、メンバーしか予約できないスタート時間(メンバータイム)や、ビジターよりも安いメンバーフィのことを意味します。
預託金変換請求権とは、一定期間預けた預託金を変換請求することができる権利です。しかし、バブル崩壊後のゴルフ場は預託金を返還する資金力がなく、運営会社がメンバーに預託金を返還することができず、裁判などに発展しているのが現状です。中には計画倒産や民事再生法の適用によって預託金が変換されないケースもあります。
株主制会員
株主会員制とは、会員(メンバー)がゴルフ場運営会社の株主となります。株主ですから、当然株主総会などで投票権を持ちます。そのためゴルフ場の経営に参加できるのがメリットとされています。
クラブが解散となった場合、クラブの財産を保有株比率によって分配することができます。預託金制度に比べて、ゴルフ場経営への参加や、権利について明確に主張できる点が株主制会員のメリットです。
証券としての株同様、ゴルフ場の価値が0円になった場合は、会員権も紙切れ同様になってしまうというリスクも持ち合わせています。バブル崩壊後に作られたゴルフ場の中には株主制を採用するゴルフ場もいくつかあります。
社団法人制会員
社団法人制の会員制度は、霞ヶ関カントリークラブをはじめとする、超名門コースと言われるゴルフ場で採用されることが多いのが特徴です。
なので、僕らが社団法人制の会員権を購入するケースはほとんどなさそうですね(笑)。
社団法人とは公益を目的とする団体で、利益追求を目的としていません。ゴルフ場経営と会員組織が一体となっており、会員(メンバー)は社団法人の社員でありながら、メンバーでもあるため、メンバーの権利が非常に強いのが特徴です。
霞ヶ関カントリークラブで女性がメンバーになれないという問題がありましたが、このような背景があったんですね。
間接株主制会員
株主制会員の1種ですが、株の保有の仕方が異なります。株主制会員の場合は会員(メンバー)が直接株を保有します。それに対し、間接株主制会員は中間法人に株式を預けてゴルフ場の運営に当たります。
株主制会員と間接株主制会員の違いがイメージしづらいと思いますが、株主制会員は個人が株を保有しているためより直接的なゴルフ場運営に参加できる。
間接株主制会員は中間法人が運営に参加するため、メンバーの意見を集約した大まかな意見としてゴルフ場経営に反映すると覚えておきましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ゴルフ場の会員権の種類について解説させていただきました。今後ゴルフ場の会員権を購入しメンバーになる際は、購入する会員権はどの制度に当てはまるものなのか調べて上で購入するようにしましょう。