ゴルフの知識

【ゴルフ場経営】なぜゴルフ場は儲からない商売なのか?

日本のゴルフ場は厳しい経営状況に立たされています。国内に2,400コース程あったゴルフ場が、現在は2,000コース程に減っています。ここ数年ゴルフ場の閉鎖が相次いでいますが、ゴルフ場の経営状況が厳しくなっている要因について解説させていただきます。

プレー単価はピーク時の半額以下も!?

ゴルフ人口が年々減少していることはみなさん周知のことだと思います。ピーク時日本国内には1,200万人のゴルファーがいましたが、2017年に算出されたゴルファー人口は890万人です。プレー単価の下落をゴルフ人口が減少しゴルフ場が供給過多になったと結論づける人がいますが、おそらくその結論づけは誤りです。ゴルフ人口がピーク時の頃からゴルフ場の数はゴルフ人口に対して供給過多の状態でした。

現に、日本国内の年間総ラウンド数は890万ラウンドですが、ゴルフ人口が減っても、この総ラウンド数は大きく変化していません。ということはゴルファー1人当たりの年間ラウンド数が増えたということです。一人当たりのラウンド回数が増えている原因は定年を迎え引退した団塊世代はお金にも時間にも余裕があり、頻繁にラウンドへ出かけているという結果です。お金に余裕のある人たちのラウンド頻度が増えたということなので、1人のゴルファーがたくさんゴルフに行けるようにゴルフ場市場全体がプレー価格を下げたということは考えづらいでしょう。

では、ゴルフ場のプレー単価がここまで下がった要因はなんなのでしょうか?
原因は大きく2つあります。

外資系グループの出現

2000年代に入ると日本国内にアコーディアグループ、PGMグループと行った外資系グループのゴルフ場が出現します。これまでの日本のゴルフ場の運営体系を改め、徹底したコスト管理を行い、特定エリアでプライスリーダーとなる戦略をとりました。

アコーディアグループや、PGMグループでは食材、ゴルフ用品、備品などもグループ一括で仕入れいることでスケールメリットを生かし仕入原価を限りなく低く抑えています。そうすることで安いプレーフィーでも利益を確保することができました。

その他のゴルフ場は同じエリアにできたアコーディアグループやPGMグループのゴルフ場にゴルファーを持って行かれないように金額を下げて追従していきました。これがゴルフ場のプレー代がここまで下がった原因の1つです。

当然、グループ系以外のゴルフ場では仕入原価を抑えることができないので、ただただ利益率を圧迫している状況です。しかし高いプレー代のまま待っていても顧客を取られてしまうので苦肉の策としてプレー代を下げるに至っています。

WEB予約の出現

楽天GORAやGDO、じゃらんゴルフなどのゴルフ場専門のインターネット予約サービスが出現しました。これらのWEBサイトのことを一般的にポータルサイトと呼びます。ポータル=比較という意味で、WEB普及によってゴルフ場同士が比較されるようになりました。安いゴルフ場が現れれば当然ゴルファーは安いゴルフ場へ引っ張られます。強い魅力がないゴルフ場やアクセス条件が不利なゴルフ場は安いプレー代で勝負するしかゴルファーを獲得する術がなくなり、結果的に金額競争になってしまっている状況です。

加えてWEB予約の出現によってゴルフ場に“手数料”というものが課せられるようになりました。各ポータルサイトから予約されたプレー人数一人当たり500円〜1000円程度の手数料を支払っています。プレー代がピーク時の半額になってもゴルフ場利用税の金額は変らず、ポータルサイトからの手数料も徴収されます。となると開場当初に予想していた利益率を大きく下回る結果となっているのがゴルフ場が大きく儲からない商売となっている現状です。

コース管理費は年間7,000万円

日本のゴルフ場の年間売上は平均4億円と言われています。ゴルフ場が1年間で4億円売り上げるにはどれほどのコスト(原価)がかかっているのでしょうか?

まず一番大きなところでコース管理費が挙げられます。コース管理費の全国平均は7,000万円(人件費込)。外国人からすると日本のゴルフ場は綺麗すぎると言われますが、本当にその通りです。逆にゴルファーも芝がハゲていたり、雑草が生えていると文句を言いますよね?
安いコースは多少コースが荒れていてもしょうがないと思えるような広い心も大事かなと思う今日この頃・・・。

次に大きなコストでいうと借地代があります。広大なゴルフ場の土地は全てゴルフ場が保有している訳ではありません。中にはゴルフ場の敷地の50%以上が借地というゴルフ場もありますし、100%ゴルフ場が保有しているという場合もあります。だいたい平均してゴルフ場全体の20%〜30%が借地と言われています。(そのほか場外地というゴルフボールが飛んでくるかもしれない場所にも借地料を払います)
借地料も年間数千万円かかるというゴルフ場がほとんどです。

この時点で、土地の管理だけで年間約1億円程度かかるのがゴルフ場です。
このコース管理費、借地代に加え、人件費、施設の維持管理費、水道光熱費、食材仕入れ、ショップ仕入れ、備品代、広告宣伝費などが必要になります。

多くのゴルフ場はバブル期に建設されたため、国内のゴルフ場は開場30年前後のゴルフ場がほとんどです。今がちょうど施設にガタが出始めている時期でもあり、施設の維持管理費はかなり高額になっています。

上記の通り売上4億円という規模に対して、減らすことのできないコストが数億円単位で必要になってきます。

売り手市場となっているゴルフ場資材

上記でゴルフ場(18ホール)のコース管理費が年間平均7,000万円もかかっていることに驚いた方も多いのではないでしょうか?

なぜそうなっているかというと明確な理由があります。それはゴルフ場資材の市場が完全な売り手市場となっているためゴルフコースのメンテナンスに必要な芝、砂、木材、肥料、薬剤の仕入れ価格がかなり高い値段となってしまいっていることが原因です。

ゴルフコース内のティーグランドやバンカーに使用される枕木も、昔は鉄道の線路に使用されていた中古の木材を使用していました。しかし鉄道の線路が全て金属製になると枕木が手に入りづらくなり価格が高騰しています。

芝の生育についても課題があります。高温多湿な日本は芝の生育条件としては適していません。そのため肥料や薬剤を大量に投入し無理やり生育させる必要があります。ゴルフ場資材メーカーとすれば、ゴルフ場が必ず必要となるものをわざわざ値引くメリットはなく、ゴルフ場にとっては高い金額で購入するしかないという状況になっています。

預託金の未償還

次はゴルフ場の預託金問題です。ゴルフ場を建設する際、会員権の販売に加え、会員権を買ったメンバーから預託金という形で資金を集めました。そしてその予約金はゴルフ場の設備投資や運営に使われて、規定の期間が満期を迎えたら預託金はメンバーへそれぞれ返還されると言われていました。

参考記事
ゴルフ場会員権の種類

しかし、バブルが弾けると同時に、ゴルフ業界が一気に不景気になったことで預託金を返還するための利益を確保することができなくなりました。多くのゴルフ場では預託金を返還するための利益が出ないため、満期が来たメンバーに対し返還期日を延期してもらっている。もしくは分割で変換している状況です(中には計画的民事再生によって預託金の返還をチャラにしてしまうゴルフ場もあります。)。

上記のような理由があるため、やっとの思いでゴルフ場が利益を出したとしても預託金の返還にその利益を当てなければならないので最終的に手元に残る資金がほとんどなくなってしまいます。ゴルフ場によっては預託金の返済残高が数億円というゴルフ場もあります。ただでさえ黒字化するのが難しいゴルフ場経営の中で、預託金という過去の借金によってさらに黒字化へのハードルが高くなっています。

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