ワンレングスアイアンと言えば、コブラキングフォージド。アメリカの物理学者兼プロゴルファーのブライソン・デシャンボーが全て同じ長さでロフト角だけが異なったアイアンを使っていたことで話題となり、2017年に販売されました。一体どんなアイアンなのでしょうか?
ワンレングスアイアンとは?
一般的なアイアンは番手を上げるほどシャフトが長くなっていきます。しかしこのコブラキングフォージドというアイアンはワンレングスアイアンと言って、ピッチングウェッジから5番アイアンまですべての番手でシャフトの長さが同じになっています。(基本は7番アイアンの長さで統一。別途オーダーすれば7番以外の番手の長さに合わせることも可能。)
全ての番手のシャフトの長さが同じ=『ワンレングス』という意味です。
一般的なゴルフクラブを使用した場合、パターからドライバーまですべてのクラブの長さが違います。ということは、14本クラブを入れていたら、14通りのスイングをしないといけませんし、クラブごとで体の前傾具合が異なります。
そこに着眼したのが当時物理学者だったブライソン・デシャンボー。ボールの飛距離はロフト角で決まるという論理のもとワンレングスアイアンを使用し、全米アマで優勝し翌年にプロ転向しました。全てが7番アイアンの長さになっているので、スイングの再現性が高く、番手ごとにアドレスを変える必要がありません。いつものアドレス、いつものスイングをすればあとはロフトが勝手に距離を刻んでくれるアイアンです。パター、ウェッジ、ウッドは除外してアイアンだけはすべて同じ姿勢・軌道で打てるというメリットがあります。
実際に打ってみた!
ワンレングスアイアンを実際に打ってみました。打ってみた感想としては、ワンレングスなのでアドレスとスイング軌道を番手ごとに変える必要がないので、ミスショットが少なくなった印象です。本当にロフトが違うだけで飛距離が変わるのかと半信半疑でしたが、見事に番手ごとの飛距離を打ち分けることができます。全ての番手が7番アイアンと同じ長さなのでなんとなく不思議な感じがします。
6番、5番などのロングアイアン(ワンレングスなのでロングアイアンという言い方が違う気がする・・・。)も7番アインと同じ長さなので苦手意識なくスイングすることができます。
メリットが多いワンレングスアイアンについて以下でさらに詳しく使用感を解説していきます。
短い番手の操作性に不安
これはワンレングスアイアンを使うに当たってデメリットになる部分です。ワンレングスアイアンは同じスイングの繰り返しができるのでミスの確率が減ることは確かです。しかし、ピッチングウェッジや9番アイアンなどのショートアイアンを手にした時にやたらアイアンが長く感じます。慣れのせいもあると思いますが・・・。
短い番手では確実にグリーンに乗せたい。そしてできることであればピンそばに付けたい。またはスイング軌道やスイング幅を調整してコントロールショットを打ちたいという時もあります。その時にアイアンが長く感じると、少々不安を覚えます。
また、ピッチングウェッジよりも短いアプローチウェッジ、サンドウェッジを使うときに急にすごく短くなったような感覚になりました。これも慣れですかね・・・。
ゴルファーにとってショートアイアンを持ったときの安心感って非常に重要です。そこに不安を覚えるとなると少々使いづらさが否めないですね。
5番、6番アイアンの弾道が低い
これは私が打ってみた個人的な感想なので一概には言えませんが、ワンレングスアイアンを使用して5・6番アイアンを使うと、一般的なロングアイアンを打った時に比べて弾道が低く感じます。おそらく5番、6番アイアンは通常のロングアイアンよりもシャフトが短く設計されているため、番手通りの距離を出すためにロフトが通常よりも立っているんだと思います。(正確にロフトを計測していないので確かではありません。)
またはヘッドスピードの関係で弾道が低くなっている可能性があります。シャフトが長いほどクラブヘッドが走る分ヘッドスピードが早くなります。ワンレングスアイアンの場合は番手をあげてもシャフトの長さが変わらないためヘッドスピードに変化がありません。一般的なアイアンセットのロングアイアンを使った時と比べてヘッドスピードが遅くなるため球が高く上がりづらくなっている可能性も考えられます。
ざっと紹介させてもらいましたが、完全に好みがわかれるアイアンですね。確かにすべてのアイアンの長さが同じというのはミスが減るというのは大きなメリットです。しかし、操作性や、弾道の低さに違和感を覚えるというデメリットもあります。
オートマチックにミスを減らしたい人にとってはもってこいのアイアンであることは間違いないと思います。興味のある方は以下のサイトでチェックしてみてください。