ゴルフ場利用税は廃止になるのか?
ゴルフ場利用税とは何かご存知でしょうか。ゴルフ場利用税の廃止が国会で議論されることも度々あります。ゴルフ場利用税を徴収する目的は何なのか。ゴルフ場利用税は本当に廃止されるのか解説します。
ゴルフ場利用税とは?
ゴルフに行くと明細にゴルフ場利用税という項目が必ず記載されています。
65歳以上の方や、障がい者手帳をお持ちの方は免税対象ですが、それ以外の方がゴルフ場でラウンドするとゴルフ場利用税が徴収されます。ゴルフ場がある都道府県によって異なりますが、おおよそ400円~1000円の間が多いと思います。
ゴルフ場利用税は、地方税にのため国ではなくゴルフ場がある都道府県の税収となります。ゴルフ場は消費税と同じく、ゴルフ場利用税をゴルファーから代理徴収している立場となります。ゴルフ場が多い都道府県では、ゴルフ場利用税の税収だけで何十億円もの税収となっていることもあります。
スポーツをして税金が取られるなんて不思議ですね。レジャー系のもので税金が取られるのはゴルフと温泉(入湯税)ぐらいでしょうか?
このゴルフ場利用税とはどんな目的や背景で僕らゴルファーから徴収されるのでしょうか。ちなみに入湯税は、水質検査などにかかる費用の名目で徴収されます。
贅沢税
ゴルフ場利用税の1つ目の意味合いは贅沢税です。ゴルフは昔から敷居の高いスポーツとされてきました。敷居の高い=収入の多いゴルファーから税金を集めようという意味で税金が課せられています。お酒やたばこの嗜好品と同じ扱いということです。ただゴルフも随分と敷居が下がり誰でも楽しめるスポーツとなりました。ゴルファー=s高収入という構図が成り立たなくなっているため、贅沢税としての意味合いは弱まっています。
応益税
2つ目の意味合いは応益税です。聞きなれない言葉ですが、ゴルフ場へ続く進入路などはゴルフ場を利用する人がメインで使います。その道路の先にゴルフ場しかなくても公道である限り、国や地方自治体はその道路を整備しなければいけません。その財源を確保するには、その道を利用するゴルファーから徴収しようという意味でゴルファーからゴルフ場利用税という名目で集めるようにしました。
ゴルフ場利用税は廃止になるのか?
ゴルフ場利用税の廃止については、全国各地でゴルフ場利用税廃止運動が行われています。国会でもゴルフ場利用税の廃止については話題に上がることがありますね。ゴルフ場利用税の廃止については長年議論されていますが、この先どうなるのでしょうか?
二重課税問題
まずはゴルフ場利用税を廃止しようとする側の言い分です。ゴルフ場利用税を徴収されているゴルファーは二重課税されている立場にあります。1回のラウンドで徴収されるゴルフ場利用税は数百円でも、年間10回、20回とラウンドされる方は年間で数万円支払うことになります。
過去には、パチンコ店や麻雀場を利用する場合に娯楽施設利用税がありました。しかし消費税導入を機にゴルフ場以外の娯楽施設利用税は廃止されています。なぜかゴルフ場利用税だけ残ってしまったんですね(笑)。ゴルフだけはいわゆる二重課税という状態になっているので廃止したいという意見が強く時々国会でも議題に上がります。
地方の税収問題
次は、ゴルフ場利用税廃止の妨げとなっている理由です。ゴルフ場利用税は地方税なので、利用したゴルフ場がある都道府県に納付されます。ということは、地方自治体としては絶対に撤廃したくないはずです。黙っていても年間何億円、下手すると何十億円という金額の利用税がゴルファーから納付されるので、ゴルフ場利用税を廃止することは地方の財源をかなり圧迫することに直結します。
高齢社会、首都圏への人口流出によって、地方経済の経済の衰退が叫ばれています。仮にゴルフ場利用税が廃止となったら地方の財政を圧迫しかねない深刻な問題となってしまいます。
免税ゴルファーの急増
ゴルフ場利用税は65歳以上になると免税対象になります。ゴルファー人口に置ける65歳以上の割合もかなり高くなっているため、地方自治体のゴルフ場利用税としての税収はかなり減少しているはずです。
まとめ
ゴルファーとしては廃止されたら嬉しいゴルフ場利用税です。そして現在となってはゴルフ場利用税だけ存在している理由も不明確が故に国会でもゴルフ場利用税の廃止が議題に上がる形となっています。ゴルフ場利用税が廃止されるのか、されないのか疑問なところです。ゴルフ場利用税の廃止については上記などの理由から難しいと考えます。ゴルフ場利用税が廃止されれば地方自治体は失った税収分を補う必要があります。失った税収分を補填する策を見出さずに、ゴルフ場利用税だけを廃止することは不可能でしょう。