ゴルフの知識

ゴルフ人口が減るはずだった!? 2015年問題とは。

ゴルフ人口の減少が騒がれている昨今ですが、『2015年問題』を目前にした2010年頃は今よりもゴルフ人口の現象が問題視されていました。実際には起こらなかった2015年問題とは一体なんだったのでしょうか。

目次

2015年問題とは?

なぜ2015年問題は起こらなかったのか?

ゴルフ人口の現状

2025年問題が起こる?

2015年問題とは?

まずは2015年問題についてご存知でない方のために、2015年問題について解説します。2015年にゴルフ人口が大幅に減少すると予想されていたため、ゴルフ業界では2015年問題として大きな問題になっていました。なぜゴルフ人口が大幅に減少するのが2015年だったのでしょうか?

それは日本の年代別人口ボリュームと関係があります。日本で1番人口ボリュームが多い年代は戦後のベビーブームで生まれた団塊の世代の人たちです。人口ボリュームが多い分、当然ゴルフ人口も団塊の世代が一番多くなっています。

1947年から1949年に生まれた団塊の世代ゴルファー全員が2015年に65歳以上で定年となりサラリーマンを引退します。もともとゴルフは『接待』や『付き合い』の要素が強く、団塊の世代ゴルファーがゴルフをビジネス利用しなくなります。

さらに、サラリーマンを引退し年金暮らしとなった団塊の世代ゴルファーは金銭的余裕と体力的余裕がなくなり、ゴルフから離れていくと予想されていました。

一番ゴルフ人口ボリュームの大きい団塊の世代がゴルフから離れてしまうことが危惧されていた問題が2015年問題です。

なぜ2015年問題は起こらなかったのか?

これだけ危惧されていた2015年問題でしたが、なぜ起こらなかったのでしょうか?
それは単純にサラリーマンを引退した団塊の世代ゴルファーがゴルフから離れなかったということです。むしろサラリーマン時代よりも定年を迎え引退してからの方がゴルフ熱が高まっているようにも感じます(笑)。

今の高齢者を見てわかる通り、とっても元気です。ゴルフは他のスポーツと違い激しく走ったりする必要がないので生涯スポーツとして認知され、サラリーマンを引退してからゴルフを始めたという方も多いでしょう。

また、年金暮らしとなって金銭的余裕がなくなると考えられていましたが、団塊の世代は終身雇用制度の中で働いていたので退職金がもらえ、老後の生活に十分な貯蓄も備えています。ゴルフ場のプレー単価の下落も合間って金銭的理由でのゴルフ離れは起こりませんでした。

ゴルフ業界が危惧していたほど、団塊の世代のゴルファーがゴルフ離れを起こさなかったというのが、2015年問題が起こらなかった理由です。

2015年問題に対し意図的に打開策が打たれ、2015年問題を意図的に防いだという訳ではありません。ある意味、何も策を講じることができなかったのが2015年問題だったのです。

ゴルフ人口の現状

2015年から3年がたった2018年現在のゴルフ人口はどのような状態でしょうか。

依然として団塊の世代ゴルファーが多くを占めています。平日にゴルフ場へいくとほとんど地元のおじいちゃん、おばあちゃんだらけです。日本国内のゴルフ人口は減少傾向ですが、年間の総ラウンド数は一定に保たれています。ゴルフ人口が減少しても総ラウンド数が一定ということは、一人当たりのラウンド数が増加しているということです。そしてラウンド数が増加しているのは定年を迎えた団塊の世代の人たちということになっています。

ゴルフ業界は、団塊の世代ゴルファーに支えられているというのが現状です。50歳以下のゴルフ離れと、20代〜30代の人がゴルフを始めないというのが大きな問題となっています。

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だた近年珍しい現象が起きています。特に若い世代の女性を中心にゴルフを始める人が増加傾向にあります。昔はゴルフというと、お金持ち、おじさん、接待というイメージがありました。最近ではゴルフがおしゃれでインスタ映えするなど、若い女性を中心にゴルフを始める人が増加傾向にあります。その証拠にニューバランスやトミーフィルフィガーなどのアパレルブランドがゴルフウェアへの新規参入を進めています。

2025年問題が起こる?

若い女性を中心にゴルフ人口が増加しつつあるという明るい話題もありましたが、依然としてゴルフ人口で大きな割合を占めているのは団塊の世代のゴルファーです。

現在の高齢者は体力的にも金銭的にも余裕があり、ゴルフに打ち込んでいますが、2025年になるとそうも言っていられません。

どれだけ医療が進歩しようとも避けられない”健康寿命”というものがあります。2025年になると団塊の世代のゴルファーは全員が75歳以上となり後期高齢者になります。いくら金銭的余裕があっても健康でなければゴルフができません。

2015年では団塊の世代ゴルファーが戻ってきましたが、2025年にはゴルフから離れる時が必ずやってきます。その時高齢者に頼ってきたゴルフ業界はどうなるでしょうか?

ゴルフ場の売上、ゴルフ用品の売上などが大幅に落ち込むことが予想されます。
2015年は打開策を打たなくても生き抜くことができたゴルフ業界ですが、2025年はそうも行きそうにないですね。明確な打開策が必要な気がします。

まとめ

僕も含めゴルフ業界で働く人間として2025年問題に対して対策を講じていかなければなりません。ただ今のゴルフ場の体力ではその日の売上、その月の売上を確保していくのに精一杯な状態です。目先の利益を確保しつつ、ゴルファーを育成していく環境を整えていくことが重要ですね。

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